硫化銀

黒い銀

化学の個別授業のときのこと
生徒と「銀」の話題になりました。

銀って黒くなるんだよ、と。

銀のイオン化傾向はHg(水銀)の次でその値は小さく、酸化されにくい性質のはず。
そこで生徒が疑問を持ちました。「どうして?」

(解答)
銀が黒くなる理由は、「空気中の硫化水素と反応して硫化銀ができるため」

昔の銀食器や、シルバーアクセサリーが黒くなってしまうのは決して錆びたり酸化しているわけではなく、硫化銀(黒)ができ、それが表面に付着しているためです。ということは、硫黄(S)をそこから取り除いてあげればまたピカピカの銀色に戻せます。

手順と方法は?
まず、水に重曹を溶かして沸騰させ、黒くなった銀製品をアルミホイルなどのアルミ箔で包み込んで、重曹を溶かしたお湯に入れます。しばらくするとあら不思議。きれいな銀色に戻せます。

これは、高校化学で学ぶ「酸化還元」を利用したもので、銀よりはアルミニウムはイオンになりやすい(イオン化傾向が大きい)ため硫化銀がアルミニウムによって還元される反応が起きます。