2019 センター試験講評 数学ⅡB

【総評】 平年並み

大問構成は昨年度と同じく変化なし。各設問の誘導に従っていけば解きやすい問題であった。ただ、第2問の微分積分では文字が多く使われていたため、戸惑った受験生も多いはず。

【第1問:三角関数/指数関数/対数関数:「標準」】

2倍角公式を利用した式変形と、合成公式を利用した範囲問題。角度範囲に気を付けながら解けば容易に解けた問題であった。指数対数を利用した連立方程式では、指数法則、対数法則を利用した式変形が出来ればさほど難しくはなかったが、このタイプの問題に慣れていない受験生にとっては難しく感じたことだろう。

【第2問:微分法/積分法「標準」】

極値を利用し、不明なpとqを求める連立方程式問題から始まり、kを使用した接線や面積問題が出題されたが、文字数が多く戸惑った受験生も多くいるだろう。解答欄の形から何を求めればよいのか推理すると解きやすい問題であった。後半の問題では設問誘導に沿って式を組み立てていくとさほど難しくはなく解けた。昨年度より文字が多数含まれる分、やや解きにくく感じるものの難易度は例年並みか。

【第3問:【選択】数列「やや難」】

等比数列の和を利用した問題から始まり、後半は漸化式問題が今年も出題された。漸化式の意味を理解できていないとTnの階差数列がSnで成り立っている設問の意味が分からず式の組み立てができないことだろう。後半の漸化式変形は、普段から慣れておかないと解けないタイプの問題であった。

【第4問:【選択】平面ベクトル「標準」】

一昨年に続き空間ベクトルが出題された。誘導も丁寧であったものの、最初の段階で四角形ABCDが等脚台形であることに気付けていないと手が止まってしまったことだろう。逆に、等脚台形であることに気付けさえすれば比較的誘導も丁寧であり解きやすい問題であった。解答目安は14分程度で十分だろう。

【中澤所感】

各大問ともに誘導が丁寧であり解きやすく感じた。平均点は、昨年度並みが予想され50~53点前後だろう。ⅠAに比べ各大問の時間配分がシビアなため、現高2生は今後時間配分にも注意しながら過去問などに取り組むと良いだろう。2017年のセンター試験のような、第1問と第3問で分野を超えた複合問題が出題される可能性もあるため、今後の学習の中に複合的な問題の演習を含めていくと良いだろう。