2019 センター試験講評 数学ⅠA

【総評】 平年並み

昨年度同様の大問構成。全体的には昨年度並みの難易度。出題量は昨年度並みだが計算がやや複雑なものもあった。

【第1問:「絶対値/論証/2次関数:「易しい」】

場合分けが必要な絶対値問題だが、代表的な問題であり解きやすかった。論証問題は、条件pの否定をあらかじめ求めておくと解きやすい。2次関数では基礎知識である平行移動問題が出題されたが、計算も容易で点数確保しやすい問題であった。

【第2問:「三角比/データの分析」「平年並み」】

与えられている辺の長さから余弦、正弦の値を求めさせる問題であった。計算式も容易で解きやすかった。その後のACの垂直二等分線と直線ABとの交点Dの発見がやや戸惑ったか。ただし、図形を丁寧かつある程度正確に描くことで使用していく条件や値が求めやすくなる。三角比で扱う基本公式の知識だけで十分解くことができた。
昨年に引き続き散布図やヒストグラムからの読み取り問題が出題。情報の読み取りに時間がかかるため、ここでいかに効率よく読み取りができるかがこの後の問題解答時間に影響してくる。

【第3問:【選択】「確率」「やや難」】

さいころを1回投げて出た目によって赤もしくは白の袋をえらびさらにそこから球を取り出す問題であった。計算式がかなり煩雑になるため丁寧な計算が求められる問題であった。第3問は選択しない方が点数は伸ばせたことだろう。

【第4問:【選択】「整数問題」「やや易」】

ユークリッド互除法を利用した1次不定方程式の代表的な問題であった。最初に求めた値が後半の6762の倍数問題に絡んでくることに気が付きさえすれば全体的に解きやすい問題であった。逆にその問題意図に気が付けなかった受験生にとっては難しく感じたことだろう。

【第5問:【選択】図形の性質」「標準」】

三角比の正弦、余弦の値を使う問題で、第5問としては比較的目新しい出題形式となった。問題としては頻出のタイプであり、図を丁寧に描くことが出来れば標準的なレベルの問題であった。

【中澤所感】

第5問がやや目新しさを感じたものの、昨年度と比べ大幅な変化はない。平均点は昨年度並みの点数が予想される。来年度以降も誘導型問題が多く出題されるはずのため、現高2生はセンター試験過去問の解き直しをすることで対応できるだろう。ただし、教科書の発展的な知識も問われているため、標準的な問題だけではなく発展的な問題演習も普段から行っておく必要がある。