高校入試への数学(3) 一次関数③ 比と中点

時習館の森山の
高校入試への数学
~第3講 一次関数③ 比と中点~
【問題】 (難易度★★☆☆☆)
右の図のように、直線 l 上に異なる4点 ABCD があり、AB:BC=5:3AB:BD=1:2 が成り立っている。点 C の座標が(3,\frac{21}{5}) であるとき、それぞれ以下の問題に答えよ。ただし、原点を O とする。
0502
(1) 点 A の座標を求めなさい。
(2) 点 B を通り、△OAB の面積を二等分する直線の式を求めなさい。
Clipboard01【ズバリPoint!】
連比の求め方(二つの比を一つにまとめる)
ポイント:AB の値を最小公倍数で同じ数にそろえる。
例題:AB:BC=3:5…① AB:BD=4:7…② のとき、二つの比を一つにまとめよ。
解法:①式では AB の値は 3、②式では A の値は 4 なので、最小公倍数の12になるように、①式に 4 をかけ AB:BC=12:20…①’、②式に 3 をかけ AB:BD=12:21…②’となる。また①’②’より、BC=20BD=21 なので、CD=1 になる。
中点座標の求め方
ポイント:点 A(x,y) と 点 A(p,q) を結ぶ線分 AB の中点 M の座標は、(\frac{x+p}{2},\frac{y+q}{2}) になる。
【解答と解説】
(1)
AB:BC=5:3…①、AB:BD=1:2 \times5 =AB:BD=5:10 …②’より、AB:BC:CD=5:3:7 になる。ゆえに、AD:BD:CD=15:10:7 である。
A から降ろした垂線が x 軸と交わる点を E、点 C から降ろした垂線が x 軸と交わる点を F とし、また点 B から降ろした垂線が x 軸と交わる点は O であり、点 Dx 軸上にある点であるので、△ADF、△BDF、△CDF はそれぞれ相似の直角三角形である。
A の座標を (x,y)、点 B の座標を (0,q)、点 D の座標を (p,0)、とする。
Ax 座標は x、点 Bx 座標は 0、 点 Cx 座標は 3[/latex]、AB:BC=5:3 なので、点 Ax 座標は -5 になる。
同様に、点 Ay 座標は y、点 Cy 座標は \frac{21}{5}、 点 Dy 座標は 0[/latex]、AC:CD=8:7 なので、点 yx 座標は 9 になる。
よって、点 A (-5,9)
(2)
同様に点 B の座標を求めると、(0,6) となる。
OAB の面積を二等分するためには、底辺となる線分 OA を二等分する中点 M を通れば良い。
線分 OA の中点 M の座標を (s,t) とすると、s=\frac{0+(-5)}{2}=-\frac{5}{2}t=\frac{0+9}{2}=\frac{9}{2} となる。
ゆえに、点 B (0,6) と 中点 M (-\frac{5}{2},\frac{9}{2}) の二点を通る線分を求める。
それぞれの座標の xyy=ax+b に代入して連立方程式で解く。
よって、y=\frac{3}{5}x+6