物体にかかる力と速度の関係(中学生版)③ ~時習館の極上の理科~

●重力加速度って何だろう?
 さて、前回、「速度の変化の割合」のことを「加速度」と呼び、「速度の変化の割合が一定の運動」を「等加速度運動」と呼びましたが、私たちにもっとも身近な等加速度運動といえば何か、もうおわかりですね? そうです、落下運動です。
 ある場所からある物体をそっと手を離して落下させる場合、その物体の速さは徐々に変化しますよね。初めは「速さ= 0 m/秒」です。そしてそこから徐々に速くなります。そして、この速くなる変化率が世界どこでも同じというのは想像できますよね?
 もちろん、落下させた物体は、ある一定の割合で速度が変化しているので「等速度運動」をしているのですが、この「物体を落下させた時に物体の速度が変化する割合」を「重力加速度」と呼ぶのです。
 この「重力加速度」は世界中どこでも一定です・・・とい言いたいところですが、実際には、地球はものすごい速度で自転しているため、赤道付近では遠心力が働き重力加速度は小さい値になります。逆に遠心力が働かない極では重力加速度は大きい値になります。ただ、その差はごくわずかな値ですから、一般的には「重力加速度」は世界中どこでも一定ということにしています。
●100g が 約1N って・・・
 さて、この「重力加速度」ですが、一般的には世界中どこでも一定という仮定で 9.8 m/秒² という数値を用います。(単位は「メートル毎秒毎秒」と読みますが、あまり気にしなくてもかまいません。)
 ところで、前回、運動方程式というものを学習しました。覚えています? そうです、 「質量 × 加速度 = 力」 という式です。では、この式に、「質量= 1 kg」「重力加速度= 9.8 m/秒²」という値を入れてみましょう。すると、「力= 9.8 N」となりますよね? この力とはどんな力でしょうか?
 そうです、この力こそが「重力」なのです。つまり、ある物体を落下させれば地面に落ちるように、地球の中心方向に向かう力です。あれ? でもこの式だと、「質量= 1 kg」で「力= 9.8 N」となりますよね。そうなんです。実は、正しくは、「1 kgの物体にかかる重力は 9.8 N」なんです! ということは、「100 gの物体にかかる重力は 0.98 N」ということになりますよね?
●中学校の理科の重要性と限界
 中学生の理科というのは、実に多くの内容を含んでいます。それこそまだ「科学」というものを何も知らないような小学生を卒業したばかりの子に、「生物」「化学」「物理」「地学」というそれぞれの分野の基本内容をすべて教えなくてはならないのですから、なかなか大変な教科です。いやいや、基本内容だけではありません。ほぼ高校内容と同じようなことを学ぶ単元すらあります。中学校での理科をしっかり学ぶということは、高校で理科を学ぶ上で大変重要な基礎知識になりますし、またそれは大学入試のためにも必要な知識となると言えます。
 ところが、その反面、中学の理科では多くのことを学ばなければならないため、一つひとつの単元の中では、学習する範囲がかなり限定されてしまいます。例えば、中学理科の「運動と法則」の単元では、「加速度」という言葉や「質量 × 加速度 = 力」という運動方程式は扱いません。また、多くのことを学ばなければならない結果、「重要なことは覚えておこう」という暗記中心の学習にもなりやすいのが現状です。例えば、中学理科では、「100gが 約 1N」として与えられます。でも、なぜ「100gが 約 1N」なのでしょうか。あるいは、そもそも「約」とは何でしょうか? そのような疑問に中学理科は答えてくれません。
●時習館で学ぶ極上の理科
 時習館ゼミナールは「学習塾」ですから、もちろん究極の目的は学校成績を上げ志望校合格することですが、でも、それだけにとどまりません。学習の楽しさや発見の面白さがあってこそ成績は伸びうるもの! 時習館ゼミナールでは、ただの暗記主義に陥ることなく、「なぜ」「どうして」という部分を解き明かし、学問としての面白さも伝えて参ります。
 また、そもそも、ただの暗記で中学校だけで良い成績が取れたところで、それだけでは意味があまりないのでしょうか? 高校入学後も役に立つ知識や理解、大学入試へとつながる学習が必要になるのではないでしょうか?
 時習館ゼミナールの極上の理科で、学問の面白さを感じ、高校入学後にもつながる学習を体感して下さい!