サルでもわかる量子論 第5回 ~光の二重性のダメ押し決定打!~

第5回 コンプトン効果 ~光の二重性のダメ押し決定打!~
そしてその後1923年に話は飛ぶ。この年、光の粒子性をいっそう鮮明にした画期的な実験が行われた。アメリカのコンプトンが行った、光電効果の拡張実験である。
光を金属面にあてると、そこから電子が飛び出して来るのが光電効果であった。コンプトンは、あてる光の振動数を大きくしていくと何が起こるかを調べた。
そうすると、電子だけでなく、光も飛び出して来た。その光が、あてたものと同じか否かを調べてみると、中にはエネルギーを失って、振動数の小さくなった光も出てくることを発見した。これは、光をエネルギーのかたまりとしただけでは説明のつかない現象であり、光が、運動量のような性質を持っていなければ起きない事であった。
つまり、「光を粒子として、これが電子と玉突きのような衝突を起こしている」としか考えられない。つまり、この現象は、光は電子と衝突して、エネルギーの一部を電子に与え、振動数が小さくなる現象なのである。このように、光が、ターゲット(今の場合は電子)とエネルギーのやりとりがある散乱を起こす現象を「コンプトン効果」と呼ぶ。
このコンプトン効果の発見などにより、光が波動であるとともに粒子であるという「二重性」はゆるぎないものになっていく。
いよいよ、古典物理学の破たんが見え始めてきたのであった・・・