ワカるデキる 対数(4) ~底を10にしてみる~

 以下の数字はだいたいいくつ?(有効数字2ケタで示せ)
6,013,279,453,781,418,791
 え~と、一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億、十億、百億、千億、一兆、十兆、百兆、千兆、一京、十京、百京、・・・ん~と、600京ぐらいか?
 ただこういう数え方って面倒だし、示し方も科学的ではないよね。やはり科学的にはこう書いて欲しい。
 6.0\times10^{18}
 科学では、桁数を表すのに “10” を底とした指数で表現することが大事になるのだ。
 ところで、前回までに以下のことを学習したね。
 「”2″ という底が “8”という数字(真数)になるのは、”3″乗した場合(対数)である」。
 これを数式で表すと、\log_2 8=3 となったわけだ。
 でも、科学的には、”10″ を底とする対数を使うことが多い。たとえば、\log_{10} 2 とか \log_{10} 3 とかだ。このように、底を “10” にした対数を常用対数というんだ。ところで、\log_{10} 3 ってどういう意味だ? これは、「”10″ という底を、何乗(対数)かすると、”3″ という数字(真数)になる」てことだ。
 ん? ”10″ を、何乗かして、”3″ にする? そんなことできるのか? というと、できるのである。たとえば、”10″ の \frac{1}{2} 乗っていうのは、\sqrt{10} で、”3.1622″ で、”3″ にきわめて近い。つまり、\log_{10} 3\frac{1}{2}=0.5 に近い数字だ。このように、計算していくと、”10″ を、何乗かして、”3″ になる数というのは必ず存在する。ただ、これは普通には計算できない。計算できなければどうするの?というと、これはだいたい数値として与えられるのだ。
\log_{10} 2=0.3010
\log_{10} 3=0.4771
 よしよし、これで対数の基礎はずいぶん固まった! 次回からは、本格的な問題を解いて、対数の便利さを実感して見よう!

 → 対数(1) → 対数(2) → 対数(3) → 対数(4) → 対数(5) → 対数(6)