中学数学 記述対策第5回

[問題]
ある商店で、100gあたり550円の定価で売っているお茶を、バーゲンセールの商品として売るとき、次のア、イの2つの方法を考えました。ア お茶の量を10%増量にして、増量する前と同じ値段で売る
イ 定価の10%引きの値段で売る

同じ量を売るとき、このお茶の売り上げ金が多いのは、ア、イのどちらの方法ですか。その記号を答えなさい。また、売り上げ金が多い理由を説明しなさい。ただし、消費税は考えないものとします。

■実際の計算が必要な記述問題

この問題は埼玉県で出題された入試問題です。前回説明した資料と活用の記述問題は解答の方針は明確でした。一方、本問はアとイのどちらが実際に売り上げ増になるのか計算してみないとわかりません。つまり、計算過程を記述し、その結果によって説明をする問題です。計算結果に応じた説明というタイプですので、まずは正しく立式していくことから始めます。

□解答例

アの場合、100gの10%増量は100×1.1=110より110gで、これを550円で売る場合お茶1gあたり550÷110=5より5円の売り上げである。
一方イの場合、550円の10%引きは550×0.9=495より495円で、100gを495円で売るので1gあたり495÷100=4.95より4.95円の売り上げになる。
したがって同じ量のお茶を売る場合は5>4.95よりアの方が売り上げ金は多くなる。

□まとめ

定価計算は受験数学の定番で、定価=仕入れ値×(1+利益率)のような公式はしっかり覚えておきましょう。その上で今回のような説明タイプの問題の場合、あまり結論を急がずに実際に計算してみて結果を判断するという姿勢も大事です。特に2つの量を比べる場合は「1gあたりの値段」のように1あたりの量