青写真

鉄には2種類のイオンがあります。鉄(Ⅲ)イオンと鉄(Ⅱ)イオンです。この2種類の鉄イオンは光に当てるとⅢ→Ⅱへと変化します。

この原理を利用すると、光の感度をイオンの濃度に「変換」できるようになります。なお、どちらも濃青色沈殿をするため、感光して青くなりました。こうして作られたのが「青写真」と呼ばれるものです。19世紀半ばに発明され、しばらく「写真」といえばこの青写真を意味していました。というのも普通の写真(銀塩写真といいます)は当時はとても高価で、滅多のことでは使用できなかったのです。一方材料が安価に手に入る青写真は、様々な用途に使われました。中でも設計図や製図、建築図面で多様されていました。ここから転じて将来の計画を意味するときに「青写真」という言い方が使われるようになりました。
現在では青写真は工業用用途には使われなくなりましたが、一部の芸術技法あるいは学校教材としていまだに人気があります。