中学数学 記述対策第2回

【問題】連続する3つの整数の和は、3の倍数になることを説明せよ。

■文字式の説明問題について

中学2、3年でよく出題されるパターンの1つが「文字式を使った説明型問題」です。教科書にも取り上げられている単元なのですが完全記述となると得点できる生徒が限られる問題でもあります。

この問題でいえば、

「問題文を、文字式を使用することで一般化し、数式の変形によって題意を説明する」

という点が問われています。今回はまず「説明として成り立たない誤答例」を紹介し、その後「正解例」を説明します。

■誤答例~一般化できていない解答

連続する3つの数は1,2,3である。この3つの数をたすと
1+2+3=6 となり、6は3の倍数なので、正しい。

■正答例~文字を使って一般化している例

自然数をnとする。
連続する3つの数はn,n+1,n+2と表せる。
この3つの数の和は
 n+(n+1)+(n+2)=3n+6=3(n+2)
よって3×整数と表せるので、連続する3つの整数の和は3の倍数になる。

□解答のポイント

誤答例の場合、連続する3つの数を1,2,3に限定してしまっている点が最大の減点箇所です。ほかの連続する3つの数だと、どうなるの?という点に答えられていません。数学の説明問題ではこのように「自分勝手な仮定のみの説明」は評価されません。別の言い方をすると、具体的な数値での説明には限界がある、ということです。この機会に文字式を使った方法(=一般化)を学んでいきましょう。

なお正解例の場合ですが、連続する3つの数はn-1,n,n+1と表すこともできます。実はこの方が計算がラクで、解答としても見やすくなります。(学校の先生も、コチラを採用して説明する場合があります)文字式を使った説明はいくつかの方法があり、どれも論理的であれば正解になります。もし自分のたてた式が解答例と異なっていたとしても、直す必要がない場合もあります。実際に先生に質問して確かめると良いでしょう。

★まとめ

文字式の説明問題は学校の定期テストでもよく出題されますが、高校入試でもよく出ます。(実は大学入試でもよく出るのです)力をつけていくには「考えながら解く」ことや「いろいろなパターンに慣れる」ことが大事です。しかしながら多くの皆さんはそのレベルになかなか到達しないのではないでしょうか。そうした場合、実は正答例を自分でノートに写すという方法が有効です。苦手な皆さんはぜひこの方法を試してみてください。