市立長野中適性検査について

2017年に新規開校する市立長野中の適性検査試行が本日実施されました。(問題内容は市立長野高校HPにて掲載されています)この試行テストについて講評したいと思います。

①出題構成について

適性検査問題が50分、作文が50分の出題です。適性検査は文系理系融合です。大問構成は以下の通りです。
問1長野市のゴミ処理についてのグラフをもとにした総合問題(配点35点)
問2立体の表面積を考える問題(配点10点)
問3身のまわりの生き物に関する問題(配点16点)
問4ふりこに関する問題(配点16点)
問5漢字語句に関する問題(配点23点)
また、作文は以下の通りです
問1外国人観光客についての意見文を参考にする400字の条件作文(配点30点)
問2学校活動に関する300字作文(配点20点)

②出題の特徴について

適性検査の方は長野県が実施している適性検査と比べた場合、「問題文は短めで記述量が多く、解答は自由度が高い(別解や部分点がある)内容」と言えます。実際公表された解答例を見ると「同等の内容が書かれていれば正解」とするものが非常に多いことがわかります。これはほぼ別解や部分点のない県立問題と一番異なる点と言えるでしょう。県立問題のような考え方を誘導させるような作問はそれほど多くなく、深い思考力が問われることはありません。むしろ解答のヒントのような問題文も一部あり、あまり得点が低くならないように配慮したように思えます。
一方作文は県立のような文章を読ませた上での条件作文ではなく、比較的自由度の高い作文です。評価観点はオーソドックスなものですが、減点方式を採用しており、実際にどれくらい厳しく採点するのかは現時点では不明です。

③難易度について

あくまで試行段階ですから単純比較は出来ませんが、屋代附中や諏訪清陵中で実施されている長野県適性検査よりも、難易度は易しめといえます。ただし適性検査の問1が比較的ボリュームも多く難しめなので、ここで時間をかけた生徒には難しく感じられたかもしれません。また、問2の表面積や問4のふりこの問題は中学受験で6年内容まで学習している生徒にはやや有利になるでしょう。
作文は難易度の比較が難しいですが、採点基準を見る限り無難に書けた答案は高得点が出やすい出題であったように思います。

④対策について

県立中入試と同一日の入試となった影響で受験者層はやや低くなることが予想されます。よって今回の試行の結果も作成側の予想より低い結果になると思われます。したがって本番は今回の難易度よりもさらに得点しやすい構成になると思います。算数の割合・速さや理科の対照実験など必須の学習をしっかりしておくことと、作文については基本的な作文のルールを守って書く練習をしておけば特別な対策は不要でしょう。気になる方は他府県の市立中入試問題過去問を中心に学習しておくと良いでしょう。

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