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受験への国語読解力「文鳥」②
使用する文章は、前回宿題に出しておいた夏目漱石の「文鳥」の冒頭部分です。「読んでおくように」という宿題はいかがですか?
もういちど、掲載するので、読んでない人はまず一通り読んで下さい。
さて、読んできた人は、もういちどこの文章を読みながら、わからない語句(1度目に読んだ時に線を引いてあると思いますが)を辞書で引きながら、しっかりと読み進めて下さい。
そして、もう一つ大事な作業があります。読みながら、「対比」「例示・比喩」「問題提起・答」「構成・変化」を意識してみてください。そして、「対比」「例示・比喩」「問題提起・答」「構成・変化」だと思われる部分があったら、青線(青マーカー)を引いてみましょう。
また、読んでいて「おや、いつもと違うぞ」「あれ、なぜ作者はわざわざそれを書くのだろう」という部分には赤線(赤マーカー)を引いてみましょう。
さらに、「この場面いいなぁ」「ここはひどいなぁ」と心が強く動かされた部分には一言でいいので感想を書いてみましょう。
このように、本に線を引きながら、自分と対話しながら、さらに作者と対話しながら、ゆっくりと読み進めてほしいと思います。
もし手元に本がない場合は、手元の紙に該当箇所を書き抜くといいと思います。ただ画面を眼で追うよりも、手を動かすことによって、対話が深まり理解力は増します。
では、夏目漱石の「文鳥」の冒頭部分です。
文鳥は三重吉の小説に出て来るくらいだから奇麗な鳥に違なかろうと思って、じゃ買ってくれたまえと頼んだ。ところが三重吉は是非御飼いなさいと、同じような事を繰り返している。うむ買うよ買うよとやはり頬杖を突いたままで、むにゃむにゃ云ってるうちに三重吉は黙ってしまった。おおかた頬杖に愛想を尽かしたんだろうと、この時始めて気がついた。
すると三分ばかりして、今度は籠を御買いなさいと云いだした。これも宜しいと答えると、是非御買いなさいと念を押す代りに、鳥籠の講釈を始めた。その講釈はだいぶ込み入ったものであったが、気の毒な事に、みんな忘れてしまった。ただ好いのは二十円ぐらいすると云う段になって、急にそんな高価のでなくっても善かろうと云っておいた。三重吉はにやにやしている。
それから全体どこで買うのかと聞いて見ると、なにどこの鳥屋にでもありますと、実に平凡な答をした。籠はと聞き返すと、籠ですか、籠はその何ですよ、なにどこにかあるでしょう、とまるで雲を攫むような寛大な事を云う。でも君あてがなくっちゃいけなかろうと、あたかもいけないような顔をして見せたら、三重吉は頬ぺたへ手をあてて、何でも駒込に籠の名人があるそうですが、年寄だそうですから、もう死んだかも知れませんと、非常に心細くなってしまった。
何しろ言いだしたものに責任を負わせるのは当然の事だから、さっそく万事を三重吉に依頼する事にした。すると、すぐ金を出せと云う。金はたしかに出した。三重吉はどこで買ったか、七子の三つ折の紙入を懐中していて、人の金でも自分の金でも悉皆この紙入の中に入れる癖がある。自分は三重吉が五円札をたしかにこの紙入の底へ押し込んだのを目撃した。
かようにして金はたしかに三重吉の手に落ちた。しかし鳥と籠とは容易にやって来ない。
そのうち秋が小春になった。三重吉はたびたび来る。よく女の話などをして帰って行く。文鳥と籠の講釈は全く出ない。硝子戸を透して五尺の縁側には日が好く当る。どうせ文鳥を飼うなら、こんな暖かい季節に、この縁側へ鳥籠を据えてやったら、文鳥も定めし鳴き善かろうと思うくらいであった。
三重吉の小説によると、文鳥は千代千代と鳴くそうである。その鳴き声がだいぶん気に入ったと見えて、三重吉は千代千代を何度となく使っている。あるいは千代と云う女に惚れていた事があるのかも知れない。しかし当人はいっこうそんな事を云わない。自分も聞いてみない。ただ縁側に日が善く当る。そうして文鳥が鳴かない。
そのうち霜が降り出した。自分は毎日伽藍のような書斎に、寒い顔を片づけてみたり、取乱してみたり、頬杖を突いたりやめたりして暮していた。戸は二重に締め切った。火鉢に炭ばかり継いでいる。文鳥はついに忘れた。
ところへ三重吉が門口から威勢よく這入って来た。時は宵の口であった。寒いから火鉢の上へ胸から上を翳して、浮かぬ顔をわざとほてらしていたのが、急に陽気になった。三重吉は豊隆を従えている。豊隆はいい迷惑である。二人が籠を一つずつ持っている。その上に三重吉が大きな箱を兄き分に抱えている。五円札が文鳥と籠と箱になったのはこの初冬の晩であった。
とは言え、やはり深く読み進めるための目安は必要ですから、ここで、私の読み方を書き記します。ただし、この読み方が「模範」というわけではありません。テストや試験ではないので、「模範解答」といいうものはなく、一人ひとりの読み方が尊重されるべきです。ただ、なるほどそういう読み方もあるのか、自分はそういう部分には気付かなかった、そういう部分で参考にしてもらえればいいのです。
では読んでみましょう。
そのうち秋が小春になった。三重吉はたびたび来る。よく女の話などをして帰って行く。文鳥と籠の講釈は全く出ない。硝子戸を透して五尺の縁側には日が好く当る。どうせ文鳥を飼うなら、こんな暖かい季節に、この縁側へ鳥籠を据えてやったら、文鳥も定めし鳴き善かろうと思うくらいであった。
さて、これで、まず、感想を書いてみてください。なんでもいいのです。感想でも意見でも、どこがどうおもしろかったのか、自分ならどうするのか、書いてみましょう。ただ、あらすじや抜き出しは要りません。本文を書き写しても意味ないですからね。自分がどこを、どう、なぜ、感じたのか。自分と心の奥深くで対話しながら、その感想を深めて、書いてみましょう。そして、それを誰かに見せましょう。見せる人を思いうかべて、その人にわかってもらうように考えながら書くのもいいかもしれませんね。頑張って下さい。
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高校化学 アルコール
篠ノ井高校では学校テストが終わり
この時期から「アルコール」単元に入っています
以前投稿した「アルカン」からH原子を一個取り除いたものを
CnH2n+1 (アルキル基)
と呼びます
このアルキル基にーOH(ヒドロキシ基)が付いたものを
CnH2n+1ーOH (アルコール)
と呼びます
このアルコールの分類方法は大きく2つあり
1.価数による分類
⇒ 構造式中に含むーOH(ヒドロキシ基)の数で分類
1つ持つなら 「1価のアルコール」
2つ持つなら 「2価のアルコール」
3つ持つなら 「3価のアルコール」となります
代表的な1価のアルコールにエタノールがあります

これはC2H5(エチル基)にーOH(ヒドロキシ基)が1つ付いているので
1価のアルコールになります
他には、グリセリンはーOH(ヒドロキシ基)を3つ持つので
3価のアルコールになります

2.級数による分類
⇒ ーOH(ヒドロキシ基)が結合しているC原子に
他のC原子がいくつ結合しているかによって分類で
第1級~第3級に分類されます

というように、分類されます
注意したいのはプロパノールで
プロパノールはーOH(ヒドロキシ基)が付く場所によって
第1級アルコールか、第2級アルコールかに分かれます
ーOH(ヒドロキシ基)が一番端のC元素に付いていたら
1-プロパノール(第1級アルコール)
ーOH(ヒドロキシ基)が2番目のC元素に付いていたら
2-プロパノール(第2級アルコール)になります

以上のように、アルコールは大きく2パターンの分類方法があり
学校のテストでもこの分類方法は出題されやすいので
しっかり覚えておきたいものです
特に2つ目の「級数」による分類は、
その後の「アルデヒド」や「ケトン」といった単元にも
その知識は利用されていくため、
構造式を見た瞬間に見分けられるくらいにしておいた方が良いでしょう
受験への国語読解力「文鳥」①
「読解力」とは何か? 国語の試験を行なうと必ず皆さんがいうのが「ボクが国語できないのは読解力が無いせい・・・」「ウチの子は読解力が無いから国語ができなくて・・・」という台詞です。でも読解力ってなんでしょう? そもそも […]