【総評】問題は大問4つの構成で、例年通りです。去年から大きく記述問題が増加しましたが、今年もほぼ同じボリュームの記述問題が出ています。例年の200字作文に加え、80字程度と50字程度の中規模記述問題が出されているため、体感的には昨年より記述量が増えたと感じた受験生が多かったと思います。一方で記号選択問題は昨年より増え、一昨年水準に戻りました。これは難易度調整の意味もあったと思います。それでも記述問題が7割、記号問題が2割というバランスです。合格点に達するには記述対策が必須と言えます。
【問1】「鬼ごっこ」をテーマとした出題。会話文や資料の読み取りを中心とした問題です。難易度は普通程度でしょう。ゲームの論理性を思考し、さらに表現させる(2)②は今後増加が予想されるタイプの記述問題です。
【問2】毎年定番の「学級会での話し合い」に関する問題です。今回は「睡眠時間」をテーマとして資料やグラフの読み取りと会話文の流れを考えさせる出題でした。比較的易しい問題なので、合格点を取るためには落とせない設問となりそうです。
【問3】こちらも恒例の「長野県」に関する出題です。今年は「イナゴを食べる文化」にスポットを当てた出題です。しかしながら、地域・郷土に関する知識が少ないと不利になるようなことはありません。参照する会話文・資料の数が多いので、時間配分も意識して解く必要があります。
【問4】200字の課題作文を含む国語的要素の強いおなじみのパターンの問題ですが、(2)の設問が比較的自由な記述問題になっています。理系志望者の多い本入試では、「宇宙」というテーマはとても読みやすい内容だったと思います。ただし、興味ない受験生にとっては難解に感じられたと思います。やや「人を選ぶ」出題になったように思います。
【総評】出題形式は昨年の大問5問からふたたび大問4問構成に戻りました。形態はほぼ昨年と同じで、記述形式が10問。図とグラフが各1問です。総設問数は30問で、過去最低水準です。これは記述問題とのバランスを考慮したものと思われます。(記述量は昨年より増加)内容面では昨年がやや「算数寄り」だったものが今年は算数と理科をバランスよく出題する方向に変化しました。といっても配点としては算数寄りが7割を占めています。いわゆる「思考過程重視」の出題傾向が強まってきており、単純な計算量は過去最低水準です。一方でその思考過程を文章化する能力が要求され、勘に頼るタイプの受験生にとっては非常に得点しにくい内容です。問題文の分量が多いのは例年通りで、素早い処理能力が必要です。公式に頼るような学習では高得点は望めない内容です。
【問題1】三角柱をテーマとした図形問題と、円運動を速さと関係して考えさせる問題が出題されました。いわゆる数的処理の手際の良さが求められる良問です。後半は誘導形式になっており、難易度は易しめです。
【問題2】「道路の雪を解かす」という長野県ならではの生活に密着した算数と理科の出題です。内容は典型的な「対照実験」に関する洞察や割合を利用した数的処理の出題で、受験慣れしている生徒には易しく感じられたと思います。
【問題3】「開いた本のつくる端の角度」という珍しいテーマの問題です。身近な題材をもとにした総合問題ですが、やはり誘導型になっており、図形の求積に慣れている受験生には解きやすかったと思われます。ただし記述問題はわかっていても「どのように説明するか」が難しいので、本年では一番難易度が高い設問と予想されます。
【問題4】メダカの飼育に関連した算数理科の融合問題です。実際には算数系の出題がメインで、特に空間図形に関連した理解度が試されます。ただし、出題にヒントが多く、難易度は易しめです。
【来年に向けた対策】高得点を取る一番のポイントが「時間内に解く」という要領の良さです。そのためのスピードをつける練習が必要です。ふだんから制限時間を決めて解くなど、取り組み方の工夫が必要です。また誘導形式問題が多いので、「我流」で解こうとせずに、模範解答の解き方を真似るような学習も大事です。さらに記述問題が増加傾向にあるので、解答の過程をノートなどに書いていく練習も有効です。
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